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【市内9つの小学校&異学年で実施】『2011年3月11日』と『今』を繋ぐ防災教育

去年の取り組み

去年、生駒小学校5年生の防災教育を行った。
2011年3月11日の東日本大震災後、当時の様子を知る現地のNPO法人の方にもご協力を頂いた。時が止まったままになっている福島県夜ノ森駅周辺の帰還困難地域からオンラインで授業を進めた。

現地でスタディーツアーなどを実施している里見さんのお話

10年経ってもなお傷跡が残っている街と人と繋がり、リアルな話を聞くことはモニター越しにも伝わる空気や想いに児童たちは「まだ終わってなかったのか」「昔の話ではなかった」と様々な感想を持ってくれました。
1年間を通して学年が取り組んでいた『地域の防災マップ』もしっかりと作り上げていました。


今年はより多くの児童に伝えたい

今年、より多くの児童に福島と繋がる防災授業を受けて欲しいと考え、複数校での授業を企画しました。結果、市内の小学校9校の学校の高学年(4年生~6年生)が参加をしました。

当日は福島県大熊町から、当時中学生だった小泉さんをゲストとしてお招きしました。震災の時、小学校だった場所からお話をしてくださいました。
(今年、インキュベーション施設にリニューアル)

当時の学校の様子も残したインキュベーションセンター

「地震が起こった時、何をしていたのか?」「家を離れる時、どんな気持ちだったのか?」「ふるさとがなくなると言われた時、どんな気持ちだったのか?」などを一言一言丁寧に赤裸々にお話をしてくれました。

震災後、お家に戻れた時の写真

授業を聞いている児童も真剣。

お話が終わった後の質問タイムは予定時刻が大幅に過ぎても、質問が途切れないほど多くの児童が関心を持ってくれました。

児童からの止まらない質問に答えてくださったお二人

その後、2011年3月11日に福島県の小学校で働いていた先生(現在は生駒市で先生をされています)から「揺れが始まってから5分間、学校の中がどんな様子になったのか。」「揺れが落ち着いてから、どんなことが起こったのか。」「今私たちにできること、意識をしておくこと」をお話してもらいました。

児童の感想

・私は今日の話をきいてずっとびっくりしていました。自分が0歳、1歳のときにこんなことが起きていたんだと思いました。小泉さんの話をきいてそのときどんなに大変だったか、どんなに怖かったかとても伝わってきました。こんなに大変なことが起こったのに大熊町に住みたいと小泉さんが言っていて本当にすごいなと思いました。段々大熊町が住めるようになっていて私もとても嬉しくなりました。小泉さんの話を聞けて良かったです。ありがとうございました。
・思い出したくない思い出を思い出しながらも今日はお話しいただきありがとうございます。 私も訓練という名のものは本気でやろうと思いました。
・先生の学校の約150人の児童、教師のみなさんが全員助かったことに驚きました。 でもその経験を詳しく話してくださってやっぱり普段からの避難訓練などを本気でしっかりすることがすごく大切なことなんだなと思いました。 私はまだ家族のみんなと災害があったときにどこで待ち合わせるか決めていませんでした。 でも今日の授業の話を聞いてしっかり決めておかないといけないなと思いました。地震があってパニックしてもまず第一に避難経路を確保し、避難することが大切なんだなと改めて感じさせてくれました。 先生の実際の経験をたくさん詳しく話してくださって備えの大切さがすごく伝わりました。 本当にありがとうございました。
・本当に黒板が落ちてきたりロッカーや本棚が倒れるのは恐ろしいことだなぁと思いました。体力を残すことや防災訓練を真面目にやる、ちゃんと避難場所を決めておくなどのことをちゃんとやろうと思いました。

実施後の児童アンケートより

「当事者」の想いが子どもたちに伝播していく。そして、子どもの本気が地域に防災を伝播させていく。

今回の防災教育の一番の目的は「子どもたちが当事者意識を持つ」ことです。
大きな地震を体験していない児童が、いつか来る地震に備えて日ごろから動けるか?日ごろから意識できるか?
もちろん、これは子どもだけではなく、大人にとっても大切なことです。
私は児童の本気が地域や街の大人たちを変えていく様子を被災地の特集で何度も目にしました。
子どもたちが本気で避難する様子を見て大人たちも「これはタダ事じゃない」と避難に動いたり、学校の授業の一環で行っていた防災活動が被災地で多くの人の命を救ったり。

子どもたちだからできることがあります。
自分の小さな1歩でも、誰かを救うことができると信じて、これからの防災教育、避難訓練を真剣に前向きに取り組んでくれることを願っています。

最後に。9校&異学年での学び合いの感想

他の学校と一緒にやっていつもよりも防災の授業がわかりやすくなってうまく真剣に聞けたので良かったです。
・いつもとは違う感覚で不思議でした。 いつもとは違う人の考えが聞けて(あっこんな事を考えているんだ)と思えて楽しかったです。
・他の学校の人の意見もしれたのですごく良かったです。これからもこういう機会があったらいいなと思いました。
・他の学校と授業を一緒に受けたことでいつもよりたくさんの意見を聞けたからまた他の学校と授業を受けたいなと思った。
・みんないい質問をしていて楽しかったです!
・他の学校の人が敬語を使って言ってるのがすごいと思った。
・いろんな学校と一緒に受けていろんな質問が出ていて面白かった。その質問の答えで知らなかったことがたくさん知れた。

実施後のアンケートより

普通なら一緒に勉強をすることがない違う学校、違う学年の子たちとの学びは「質問タイム」を通してお互いの関心を知ることで有意義な時間になるのだと改めて気がつきました。

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