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【interview】なぜ先生になろうと思ったのですか?

熱く優しく面白い原井教育長に迫る対談シリーズの第一弾です。
教員から校長、そして1年前に教育長になった原井葉子さんの人生や価値観、想いを深ぼっていきました。

キャリア教育プランナーの尾崎がinterviewをしました。

一番長い時間を過ごす授業時間が面白くなったら学校も面白くなる!

Q:いつ頃から「先生になりたい!」と思っていたのですか?

小学校の時に“学校の先生ごっこ”をしていました。当時、近所の子や年下の子に勉強を教えて「分かった!」と喜んでもらえたということがとっても嬉しくて。それが小学校3.4年生くらいの時かな。
自分が教えたことで、相手が理解してくれたり、喜んでくれたりしたことが先生になりたいと思ったキッカケだったと思います。

Q:小さい頃からの夢を叶えられたということですね!念願の教員になって、実際に子どもたちと向き合う際に大切にしていたことを教えてください!

できないことができるようになること。
わからなかったことがわかるようになること。
それが子どもの学びの喜びです。
だからこそ、“わかる授業”を大切にしていました。
学校にいるほとんどが授業の時間ですよね。一番長い時間を過ごす授業が面白くなったら学校も面白くなります。学校を楽しくするために子どもたちが「わかった!」「成長できた!」を感じる瞬間をたくさん作ることを大切にしていました。
とにかく「授業で勝負!」と思っていました。

教員時代の原井教育長

言葉で表現する力は生きていくための基本的な力

Q:“わかる授業づくり”のためにどんなことを意識していましたか?

“言葉”を大切にしていました。
「どんな言葉を使ったら子どもたちに理解してもらえるか?」と。
そして、子どもたちにも「言葉を使って自分の考えを伝える。表現する。」ことの大切さを伝えていました。
きちんと言葉で伝えあう、授業に限らず、生活の中でも。

自分の気持ちや考えを言葉に置き換える「書く」と「話す」ができると、「読む」と「聞く」という行動にもつながってきます。さらに、その力がコミュニケーション力や人間関係構築力となり、クラス全体がお互いをわかりあえて、受け入れあえる学級になります。
言葉で表現する力は生きていくための基本的な力だと考えています。

Q:教育長という立場になって、大切にしてきた想いや理念は変わりましたか?

教員から校長になった時も、そして教育長になってからも自分の中の想いや理念は何一つ変わりません。校長になってからは自分で授業はできないですが、学校の先生たちに「こんな授業をしてほしい」という想いを伝えたり、校長だよりで伝えていました。教育長の立場になっても「こんな教育をしてほしい」という想いを各学校の校長先生を通して、先生に伝えてもらっています。保護者の方にも同じ想いを込めて教育長だよりを作っています。

つながることで不可能だと思っていたことが可能になる

Q:教育長になられて、大きなコンセプトとして「つなぐ・つながる」という言葉を使われているのが印象的でした。そこへの想いを教えてください!

言葉は基本なのですが、自分の居場所が見つからない子、孤独感を感じている子、コミュニケーションをとるのが大変な子たちもたくさんいます。その子たちに「つながることの楽しさ」や、「いろんな人が見守ってくれている」という実感を持ってほしいと思っています。オンラインで世界中の人とつながることも、リアルで地域の方々とつながることも両方大切だと思っています。つながることで不可能だと思っていたことが可能になることもたくさんありますから。

Q:つながりの大切さを教育長自身も感じられますか?

人とのつながりは私の財産です。特に教育長という立場になって、つながりが原動力になり、支えにもなっています。

これまで出会った教え子や保護者、地域の方々、一緒に仕事をしてきた仲間や導いてくださった先輩方など、人とのつながりが宝です。

--縁って大切ですよね。

ほんとにそう思います。「縁」って自分がつくろうとしてできるものだけではないんですよ。
たまたま同じ部屋、同じ教室になったという巡りあわせの要素も大きい。
出会った頃は何もなくても、何年か経ってから「あ、あの時の!」という偶然の出会いからまた一緒に仕事をすることもあります。特にこの仕事をしていると教え子との縁を感じるような素敵な再会もあります。

「つなぐ・つながる」ことについて熱く語る様子

今、不登校の子の居場所づくりに取り組んでいるのですが、初任の頃の教え子と大人になって、偶然出会いました。彼女は教育関係の仕事をしていたので「こんなことができないかな?」と話をしたらすごいアイディアを次々と提案してくれてました。
小学校の時から周りに優しく、面倒見の良い子でしたが、彼女とふたりで話をしていたら夢が広がっていきます。

時間をかけてつながった分、簡単には切れないし、つながりは強くなっていく

Q:素敵な偶然ですね!多くの子どもたちの担任をしてきたと思いますが、覚えているものなんですね?

教員生活のほとんどを生駒市の小学校で過ごし、たぶん、1000人近い子の担任をもってきました。どの学年もどの児童も思い出がたくさんあるし、思い入れも強かったです。今でも一人一人の子どもたちとのできごとを何かの拍子に思い出すことがよくあります。その中でたまたまめぐり合って、縁があって、出会ったり、話をしたり、仕事をしたりするという機会に恵まれることも「この仕事をしていてよかった!」と感じる瞬間です。
教育長の立場になってから、教え子が連絡してくれることもありますし、まちを歩いていても教え子や保護者が声をかけてくれます。

時間をかけてつながった分、簡単には切れないし、つながりは強くなっていくと感じています。つながりができるとお互いに「相手のために何ができるかな」と自分ができることを考えますよね。そして、相手の力になれた時の喜びが自己有用感につながっていくのではないかと思います。私が小学校時代に近所の子や年下の子に勉強を教えていたのと同じように。

ぜひ、子どもたちにつながりを通して助けてもらったり、助けたりという喜びを学校や家庭や地域の中で体験していってほしいと願っています。

みんなにも読んでほしいですか?

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