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中学3年生が大人にアドバイス!「リバースメンタリングfor school」

12月6日、中学3年生が6人の大学生や社会人の悩みを聴き、アドバイスを行う授業「リバースメンタリングfor school」を実施しました。授業では「リバースメンタリング※」という企業が行う人材育成・指導法を学校向けに本市が独自にアレンジしたものを使用。キャリア教育の授業では多くの場合、大人が中学生の相談や質問を聴き、アドバイスを行いますが、今回はその立場を「リバース(逆転)」させ、中学生が大人の相談を聴き、アドバイスを行いました。

 人は他人に対してはポジティブなアドバイスができますが、自分の事となるとネガティブになってしまいがちです。進路選択のタイミングを迎える中学3年生が他人の背中を押すために自らが発したアドバイスが、自分自身の背中を押す言葉となって戻ってくることを期待して行いました。また、大人の本気の悩み相談に乗ることで、誰かの役に立てたという「貢献感」や大人も似たようなことで悩んでいるという「安心感」を得て、自己肯定感を高める機会にもできればと考えました。

(※)指導・相談役を担う先輩社員が新入社員や後輩をサポートする「メンタリング制度」を先輩社員と若手社員の役割をリバース(逆転)させた人材育成・指導方法。

<相談者と相談内容>

◇山崎貴大氏(U-29世代を対象としたコミュニティメディアを運営する株式会社ユニーク代表取締役)
「メンバーに本気で仕事や事業に打ち込んでもらうには、どうしたらいい?」

◇小松紫穗里氏(4人の子どもを育てるワーキングマザー)
「4人の子どもたちも仕事も大切。大切なものがたくさんある場合、どう優先順位をつければ良い?」

◇坪井光結氏(市内在住の大学2年生)
「将来のための準備もしたいけど、大学生活も楽しみたい。どうすれば時間を上手く使える?」

◇井戸上勝一氏(聴覚障害児支援を行うNPO法人 Silent Voice事務局長)
「耳が聞こえる子と耳が聞こえない子のどちらも心地よい環境ってどんなもの?どうすればつくれる?」

◇仲宗根信晃氏(社会人サッカー株式会社BANDITO生駒代表)
「生駒で愛されるチーム、応援される選手になるためには何が必要?どんなことをすれば良い?」

◇塩月未希子氏(シアトル在住2児の母)(注意)オンライン参加、
「言語や文化が違う子が中学校に転校してきたら、みんなはどう思う?どうすれば仲良くなれる?」

<当日の様子>

教室の中では、なるべく相談しやすいよう、円になって座ってもらいました。事前に考えてきたアドバイスも伝えつつ、相談者に色んな質問をして、アドバイスをアップデートさせていました。

緊張しながらも、優しいアドバイスが飛び交う柔らかい雰囲気の中で、あっという間の2時間が終わりました。

参加された相談者の方々からはアドバイスをもらって
「『社員一人一人と対話を大切にしてください。オンラインではなく、直接頑張っている姿をお互いに見ることが大切です』という中学生からのアドバイスが非常に心に刺さりました。」
「今回、親として子育てのことを相談をしました。生徒が子どもの立場に立ってアドバイスをくれたことで、今まで気が付けなかった視点を得ることができました。」
「デジタルを使ったすごい可能性を提案してくれて、『私にはその発想なかったわ!』と驚きました」
など中学生視点のアドバイスがとても参考になったという感想を伝えていました。

<まとめのメッセージ>

「自分の敵は自分」
これは何百年も前からずっと言われている言葉です。
これだけ社会が変わり、技術が進歩しても、この言葉が名言として存在し続けているということは、人間である以上、自分に打ち勝つのはものすごく難しいです。
しかし、大人になっても悩みは続きます。
だからこそ、自分自身にポジティブなアドバイスをして背中を押せる方法を知っておくことが大切なのです。

他人になら、ポジティブなアドバイスができるのであれば、それを上手く使いましょう。

今日、相談者にしたアドバイスを、そのまま自分に返してください。
「やってみたらいいよ!」「そんなことで嫌いになんてならない」「大丈夫だよ!」「やり直したらいい」「違いなんて気にしなくていい」「負けたって愛される」「話し合うことが何よりも大切」

その強く、優しい言葉で自分の背中を押せたら、みんなはもっと前に進めると思います。
受験も就職も、これからの人生に正解があるわけではありません。
あなたが選んだ道を正解にしていくしかありません。
だから、誰よりもあなたがあなたの人生の応援をしてあげてください。

<授業後の生徒の感想>

「私は友達の相談を受けることはよくあるので、アドバイスを考えることはよくありますが、大人の相談にのるのは初めてだったので、アドバイスするのが難しかったです。」

「同じ悩みでも答え方はそれぞれ違って、答えは豊かなんだなあと思った。」

「あまり自分の意見が出せなく、言えたとしても良い案が出せなかったです。もしまたこのような機会があればもっと自分の意見を出したいです。」

「自分の皮が一つ剥けた気がした。」

「思っていたよりも、人にアドバイスをするのは難しかった。人の相談も自分のことに当てはめて考えると、どうしたらいいのか考えやすくなった。」

「このキャリア学習で、大人の人に初めてアドバイスをしてみていい経験になりました。」

「それぞれの悩みを聞けて思ったことは、自分だけじゃ解決できないことや思いつかないことはたくさんあって、それは他人に共有してみると、自分にはなかった考え方が生まれることがあることです。だから自分も悩んだら友達とか家族とか先生に相談しようと思いました。」

「僕は正直結構いいことを言えたと思っており、自分のアドバイスに対する反応などを見て、自信がついたというか、視野が広がった気がします。」

「まったく知らない人の相談にのることはなかなかないので新鮮だった。 大人ならではの悩みだけど、みんな悩みは持っているんだなと思った。」

「友達の相談や後輩の相談を聞いたことはあったけど、初対面の大人の方の相談を聞くことはなかったので初めての体験だった。私は将来、心理カウンセラーや誰か悩んでいる人や人のためになる職業につきたいと思っていたので今回の経験は非常に良いことだと感じた。人には見えないだけで人それぞれには悩みがあることを改めて知ることができた良い機会になった。」

「自分ではコントロールできていなかったことも、他人にアドバイスをすることで、それを置き換えて考える事ができて、少し受験の不安が小さくなった。」

「誰かにアドバイスをするということは、自分の考えを深めるということにもなると気付いた。」

「友達や同じ年齢の人の相談にはのったことがあるけど、大人の人の相談にはのったことがなかったので、新たな発見や考え方ができてよかったと思いました。自分で自分を大切にしようと思いました。」

「プライベートの悩みを抱えている人が大人でもこんなにもたくさんいるということを初めて知った。最初はプライベートの些細な悩みなんて個人のことでもあるし、大人と子どもとは考え方もまったく違うので「現実ではありえない、普通に考えてできるわけがない」と思われると思っていたが、いざ話してみるとそんなことはなく、本当に私達の意見を求めてくれているんだということが伝わってきたので、安心して意見を述べることができた。この授業を通して、こんなにも周りには意見を持ってくれている人がいるのだから、悩みを自分一人で解決しきれないときは多方面からの意見をたくさんもらって、解決へ導いていくことを大切にしていこうと思った」

授業後のアンケートより一部抜粋


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