見出し画像

小学校の先生の想いから生まれた中1の不安を解消する3校合同プロジェクト

生駒市の南部に位置する南小学校・壱分小学校・南第二小学校の3校が合同で「中学校に上がる前に仲良くなろう」プロジェクトを実施しました。

プロジェクトのキッカケは児童数が少ない小学校の先生でした。
「うちの学校は人数が少ないので、中学校にあがると1クラスに3人程度しか小学校の友だちがいない状態になってしまいます。それを不安に思っている子もいるので、少しでも事前に解消したいと思っています。」
という相談をいただきました。

すぐに他の2つの小学校に相談をしたら「やりましょう!」と二つ返事でのってくれました。

3校の6年生の先生が初めて集まったのは夏休み。
その場が初対面の先生ばかりだったので、自己紹介から始まり、各学校の特徴とか、子どもたちが抱えている不安などを共有しました。
集まった先生たち全員がものすごく前向きで素敵な方ばかりなので、場は非常に盛り上がり「こんな風に他校の同じ学年の先生と授業の共有や相談がしたかった!楽しいです!」と言ってくれました。

先生たちがワクワクしている様子を見て、このプロジェクトは間違いなく成功すると1回目のミーティングで確信しましたが、ハードルもありました。

今回のプロジェクトの大きなハードルは「学校の枠をオンラインでどこまで超えられるか?」「どうしたら1人1人が個人として繋がれた感覚を持てるか?」でした。

初めに、各学校の児童に事前アンケートを実施

お互いの意見や考えの「違い」と「同じ」を知るためにWEBアンケートを実施して、結果をグラフやワードクラウドにしてまとめました。

将来なりたい職業は?
みんなが大人になった時にどんな世界になってると思う?
3校で集まったら何をしてみたい?

1回目の授業は「自分の取扱説明書」を書いて、自分を知る

11月18日に第1回目の3校合同授業を実施。
テーマは「自分の取扱説明書をつくろう!」

授業の初めはアイスブレイクもかねて、事前にとったアンケートを発表。
自分と同じ夢を持っている子や自分と関心事が同じ子がいることにワクワクしながらも、自分とは全く違う考えを持っている子がいることにも好奇心を持っていました。

アイスブレイクの後は、自分自身を振り返る「自分の取扱説明書」を作ってもらいました。
自分はどのような性格で、何をしている時が楽しくて、どんなことに腹を立てるのか。落ち込んだときはどんなことをすれば元気になるのか。
自分のことをきちんと理解しておくと自己紹介をしやすくなりますし、取扱説明書のフレームを持つことで、相手への質問もしやすくなります。

取扱説明書ワークシート表
取扱説明書ワークシート裏


書き終わった後、全体で感想を発表する時間をとったのですが、そこで「私はバスケが好きなのですが、同じ人いますか?」「僕はプログラミングでアプリを作っているのですが、作っている人いますか?何のツール使っていますか?」などオンライン上で自然と仲間探しが始まりました。
あっという間の2時間で、名残惜しい気持ちもありましたが、1回目の授業を終了しました。

中学生のリアルな声をアンケートで集める

「中学校ってどういうとこ?」「小学校と何が違うんだろう?」6年生のまっすぐな不安や疑問を少しでも解決するため、生駒市の中学生たちにアンケートをとりました。


中学校で楽しいことは?
中学校と小学校の違いは??(ワードクラウド)
中学校と小学校の違いは?(詳細)

2回目の授業は少人数でお互いのことを深く知り合う

2月24日。卒業まで残り16日。
このタイミングで再度、合同授業を実施しました。

1回目の授業は3校の児童が一同に集まってオンラインで授業を行いましたが、2回目は進学する中学校ごとのグループに分かれ、さらに少人数チームをつくりました。
ブレイクアウトルームを6部屋つくり、全体での説明後、各部屋に移動してもらいました。

話し合ってもらったテーマは2つ。

①自分と同じ趣味を持つ人を探そう!

読んでいる本や流行っているゲーム、入りたい部活動や好きなおやつなどで仲間探しが始まり「え!!!私も好き!!!」「それ、知ってるで!」と盛り上がっていました。魚が好きな仲間探しをしていた子は「食べるのが好き?釣るのが好き?観るのが好き?」とどんどん質問を深ぼり、「同じ魚好きでも興味のあることって違うんだなー」と面白がっていました。

②中学生になる前に、今の不安を伝え、お互いにアドバイスをし合おう!

「中学生になると、今より朝が早くなるので、起きれるか不安です。」という悩みに対して、早起きが得意な子たちが「とりあえず早く寝ること。そしてアラームをかけること」「疲れているから起きにくい。疲れをしっかりとること」など適切なアドバイスをおくっていました。

また「人見知りで友だちができるか不安です」と気持ちを伝えてくれた子には「私もそうです」と同じ不安を抱える子の登場によって少し気持ちが楽になったという場面もありました。

今回のプロジェクトを通して
「幼稚園の時の子と再会できて楽しかった!」
「不安な気持ちが大きかったけど、楽しみになってきた!」
「同じことが好きで盛り上がったのも楽しかったし、自分は興味なかったことでも、その違いが楽しくて盛り上がった!」
と子どもたちは感想を発表してくれました。

最後に先生からのメッセージ

授業の最後は3校の先生たちから全参加児童へメッセージを伝えてもらいました。
「小学校の校歌を歌うのも、今の友だちと一緒にいられるのも、残り16日。残りの時間を大切に過ごしてください。」
「みんなと仲良くするのも大切だけど、健全に競い合ってほしい。悔しい気持ちや負けたくない感情は10年後の財産になります。」
「児童数が少ない学校なので中学校にあがるのが不安な子も多かったですが、今日みんながすごく優しくて安心しました。うちの子たちをよろしくお願いします!」

自分の学校の児童を想う気持ち、児童の将来を想う気持ち、そして残り少ない小学校生活を想う気持ち。

先生の優しく、温かく、強い想いを児童たちはしっかりと受け止めていました。

学校のTwitter

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!