見出し画像

〜中学生だから変えられる未来がある〜CFO(最高未来責任者)を目指す職業体験

11月10日(木曜日)と11日(金曜日)の2日間、生駒市立生駒中学校、上中学校、光明中学校の2年生538人に対して「CFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)」体験を実施しました。

昨今、18歳以下のCFOを採用している株式会社ユーグレナを始め、小・中学生が経営に参画し、会社の未来に対する提案や意見を戦略に生かしている企業が日本でも増えています。今回の授業では、地域に関わりの深い団体等からグローバルに展開する企業まで中学生のアイデアを本気で会社経営や戦略に生かしたいと考える8つの企業・団体と連携。SDGsを軸としたミッションを設定しました。ミッションに対してチーム一丸となり、アイデアを出し、企画を作り、提案し、CFOに選ばれることを目指します。この2日間を通して、学校での学びや自分の興味関心が、企業や社会の力になり良い未来を作ることにつながることを学びます。

中学生のアイデアを本気で活用したい8つのミッションと参加企業・団体

①未来の博物館を提案してほしい(一般社団法人路上博物館)
②ストレスのない社会の実現のためにYogiboをどう活用すれば良いか提案してほしい(株式会社Yogibo)
③10代が一歩踏み出すのに躊躇する原因を探り、解決策を提案してほしい(株式会社ユニーク)
④10代のクリエイターがたくさん生まれるような、仕組みや仕掛けを提案してほしい(note株式会社)
⑤社員がイキイキと働ける理想の働き方制度やユニークな面接方法を提案してほしい(株式会社ライトワークデザイン)
⑥生駒の価値を上げるにはどんなスポーツチームがあれば良いか提案してほしい(Orbis Investment日本法人)
⑦生駒が20年後も住み続けたくなる街になるためのアプリを考えてほしい(CODE for IKOMA)
⑧ワクワクする未来の学校を提案してほしい(生駒市教育委員会)

ユーグレナの2代目CFO川﨑レナさんからのメッセージでスタート

中学3年生で株式会社ユーグレナの2代目CFOに選ばれ、企業と共に未来を作ってきた川﨑レナさん。さらに、先日、日本人初の「国際子ども平和賞」を受賞した彼女が今回CFOに挑戦する生駒市の中学生に“社会を変える同年代の仲間”としてメッセージを贈ってくれました。

企業・団体からインプット後、アイデアを出し、企画を固め、資料に落とし込み、プレゼン

企業・団体からのインプットand質疑応答
チームでの企画作り開始
アイデアだし
ネットで情報を集め、企画のヒントを探す
企画を資料に落とし込む
3分のプレゼンテーション後、CFOに選ばれるチームが決定

※職業体験をまとめた動画は現在作成中です。

今回の職業体験が中学生たちにもたらした2つの変化

「仕事」「働く」「社会」に対するイメージの変化

「仕事」「働く」「社会」と聞いてどんなイメージを持ちましたか?という問いに対して、「大変」「忙しい」「稼ぐ」などのワードから「役に立つ」「楽しい」「達成感」などポジティブなワードに変化していました。

職業体験実施前アンケート結果


職業体験実施後のアンケート結果

自分たちで社会を変えられるかもしれないという期待

「自分で国や社会を変えられると思いますか?」という問いに対しては「変えられる」「変えられるかもしれない」割合が46.6%から62%に増えました。
授業を通して働くことの意味や意義を感じ、自分たちでも身近なところから仲間と協力して変化を起こしていけることに少し気が付いたのかもしれません。

実施前と実施後の比較グラフ

実施後の生徒・先生・企業・団体の方の感想

【生徒の感想】

今回の職業体験が<とても楽しかった><まあまあ楽しかった>と回答した生徒が全体の87%。理由の多くは「やり切った達成感」「仲間と協力」「他校との交流」でした。逆に<あまり楽しくなかった><全く楽しくなかった>と答えた3.4%の生徒からは「仲間と協力できなかった」という理由が挙げられていました。

実施後のアンケート
・自分のアイデアを形にするのに達成感を感じたから。
・自分が普段しないことをチャレンジできたし、自分の知らない感覚をしれたから。
・他校の人や大人の人に自分の意見を聞いてくれたから。
・みんなで意見を出し合って、喧嘩もあったけどいい経験になったからです。
・難しかったけどいい経験になったし、日常ではできないことを班のみんなとできて楽しかったから。
・他校と交流することができ、企業のことも学べたのでとても楽しかったです。
・やる前はなんかめんどくさいな、とか思ってしまっていたのですが、始まると、すごく楽しかったです。班のみんなと協力して案を出して、スライドを作るのがとても楽しかったです。
・本当に未来に役立ちそうなアドバイスを言ってくださって、嬉しかったから。
・一人じゃ思い浮かばなかった考えや他校の生徒とも新しい考えを見つけることが出来たのと、職場体験の機会がなかったら経験出来ないことが出来たから。
・複数人で一つのことを企画したことを実際に社会で活躍している人に見て評価してもらえたから。
・自分たちで一から考えて、資料をつくって、発表して、本当の社会人になった気分でとても楽しかったから。
・普段の勉強では一人で、そして決まった答えを出すために勉強していますがキャリア学習ではみんなで、そして答えの決まってないことを考えることができ、自分たちでも社会に貢献することができるんだ!と自分に自信がついたからです。
・社会人の方の話や考え方だったり、チームで協力して1つのことに取り組むという経験が、中学生のうちからできて、将来社会に出たときや自分の夢に役に立てられると思ったから。
「とても楽しかった」と答えた生徒の理由

【先生からの感想】

■班で協力して、たくさん話し合いをして目標に向かっていたことが良かったです。 意見がぶつかり会い、決まらない案を、何とか形にしていく事ができた過程に価値があると思った。

■今回、ちがう中学校の生徒たちとの交流ができたというのが大きかったと思います。また、直接企業の方から話を聞く機会というのはありませんので、こんな風に企業って動いているんだというのも感じてくれたのではないかと思います。ヒアリングから企画を練る、形にすることの難しさを感じたことがメリットの1つであったのではないでしょうか。何気なくこうしてほしい、ああしてほしいという希望は出るけれども、それを実現するためにどうしたら良いのか、またどのようなところが関わっているのかと実感する良い機会でありました。

■中学2年生は「働く」ということをほとんどの生徒がまだ考えない時期の中、実際に働いてる方から話を聞くこと、質問ができ、とても貴重な経験ができた点 ・ミッションを達成するために限られた時間の中で「課題を完成させなけらばならない」という宿題レベルではなく、重みのある課題を課して頂き班で協力して成功体験をさせることができた点 ・必死になって課題を作成したけど、優勝できなかったという悔しさや「頑張っても全て報われるわけではない」をという経験ができた点 ・最後の尾崎さんの「仕事とは」という話が具体的で生徒にも分かりやすい言葉、説明で大変ありがたかった。 以上の4点がよかったと感じた点です。

<先生から参加企業へメッセージ>
■多忙な中、中学生のためにお時間をとっていただきありがとうございます。一つひとつの生徒発表に丁寧に感想を言っていただきました。しかも、良い意見ばかりでした。とても子どもたちを想っての気持ちも伝わりました。教師としての原点に返る思いで見ていました。 とても貴重な体験をさせていただき感謝しています。ありがとうございました。

■今回は、ご協力いただきありがとうございました。難しいことにチャレンジしている子どもたちの姿は、いつも私たちが見ている姿とは違う姿がたくさんありました。その姿を見て、とても感動しました。 職場体験1日目のスタートで顔合わせをした子どもたち。話したこともない、顔見知り程度の学年の仲間から、仲の良い仲間までいろんな仲間と挑戦しました。この挑戦しているときの表情がすごく輝いていたり、こんな一面があったんだという新しい発見につながりました。自分たちで作り上げたプレゼンを共有して、ああだこうだと言っている姿は、たくましい限りでした。 また、送っていただいたyogiboに乗ってすごくリラックスしていました。いつもしゃべらない仲間とワイワイしたり、ぼーっと座ってただただリラックスしていたりしました。保健室に置いたり、図書室に置いたらリラックスでき、癒しの空間になるのでは?という意見まで出てきました。本当に実物に触れさせていただき、ありがとうございました。 大変貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。

■仕事について大切にしていることは「誠実さ」であるとおっしゃってくださいました。子どもたちが今直面している「頑張りたい」でも「しんどい」を「頑張ろう」に変えてくださる言葉だと感じました。また、とても分かりやすく丁寧に説明、アドバイスくださり、私たちも学ぶところがたくさんありました。本当にありがとうございました。
実施後アンケートから一部抜粋

【参加企業・団体からの感想】

■学生の意見が新鮮でアイデアが豊富にあり非常に面白かったです。自分の会社に活かせられる意見もたくさんあり、学びになりました。

■「単純に、めっちゃ楽しい」という感想に尽きます。 我々としましても、中学生の突拍子もなく斬新なアイデアを複数いただき、純粋に「企画・プレゼンの楽しさ」を改めて再認識しました。 凝り固まった大人の発想では辿り着けない、 でも、本当は自分たちもこのような発想ができるはずなのに 社会の”何か”が邪魔して壁を張ってしまっていることに 可能性を自分たちで制限してしまっているんだな、と改めて思い知りました。 今回ご提案いただいたアイデアも、 ・本当に「あったら楽しそう」 ・実現したら世の中が少し良くなりそう ・Yogiboだからこそ実現できそう という素敵なものばかりで、良い意味で凄く悩まされました(笑)提案いただいたアイデアの中で何かしらの形で実現したいと思っております。

■ ミッションの紹介〜プレゼンテーションまで、たったの1日。
こんな短い時間の中でnoteのことを理解してもらえるのか?どんな提案があるのだろう?と内心ドキドキしていましたが、しっかり調べ、それぞれお題に向き合ってくださったことが伝わるプレゼンでした。
また、どのチームのプレゼンも簡潔で、とてもわかりやすかったです。
限られた時間の中で話し合い、形にする力が素晴らしく、生徒のみなさんの企画力はもちろんのこと、先生方の日々のサポートや指導の手厚さを感じました。 各チームの率直な着眼点は、noteをまだ知らない10代からみえた課題だと受け止めております。10代のみなさんの貴重なご意見を、社員にも共有します。この度は貴重な機会をありがとうございました。
実施後アンケートより一部抜粋

今日敗者の君たちへ。明日は何者になる?

最後、参加者全員が集まり、2日間を振り返り、仕事について考える時間を取りました。仕事とは誰かの困ったを解決するか、誰かの希望を叶えることだと知り、仕事には正解がないことを体験しました。
そして、多くの子が「選ばれない」を経験した今回。
人気スポーツ漫画「ハイキュー」の名言を引用し、「負けた子も勝った子もCFO体験の結果はこの瞬間でおしまい。今からの行動でみんなは何者にでもなれる。この2日間、今までやったことのないことを経験して新しい自分を知った子も多いと思います。足りないと痛感した部分、得意だと実感した部分を、さて、どうしていこうか?」とメッセージを贈りました。

この2日間が未来にワクワクするキッカケになっていれば、とても嬉しいです。