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あすか野小学校6年生による身近な課題を解決する発明品をつくるプロジェクト「発明王」

【概要】

あすか野小学校6年生は4月から約半年間かけて、総合的な学習として「発明王」のプロジェクトに取り組んできました。1学期に「課題発見」「テーマ決め」、2学期に「解決策のアイデア出し」「試作品づくり」「検証」を進めてきた子どもたち。

1学期から2学期にかけての授業の流れ

プロジェクトの目的は発明品づくりを通して、失敗を恐れずチャレンジすることのおもしろさを学んでもらうことです。子どもたちは材料や方法を変えながら何度も取り組み、試作品をつくりあげました。


【プロジェクトの3つのポイント】

①子ども目線の課題

子どもたちが日々、当事者として困っていることをテーマに解決策を考えました。

ぬれた手でハンカチを取る時、ポケットがぬれる

②試作品で実演

机上の空論ではなく、実際に試作品をつくって、使い方や効果などを検証しました。

崩れない消しゴムづくり
ランドセルからものが取り出しやすいレインコート
黒板の粉が集まり、片付けしやすい黒板受け

③発明に至るまでのプロセス

結果ではなく、失敗(上手くいかない方法をどれだけ発見したか)を重視し、開発までの試行錯誤をストーリーにして発表しました。

磁石の力で筆箱の中を整理整頓する仕掛け
箱の中からくじを引いて遊びを決めるクリエイティブBox

【全38個の発明試作品(一覧)】

6年1組
<かけ丸くん>(ペンがなくても文字が書けるペットボトル)
<さみどりのクリーンモップ服>(モップ付きロンパース)
<クッキング魔法少女フリルちゃん>(大さじ小さじを1つの容器ではかる)
<磁着ハンガー>(磁石で服をはさむハンガー)
<猫と自販機>(組み立てられる消しゴムカバー)
<HANKO OSUDE>(間違えず、押しやすくなるハンコ)
<超簡単ペーパーホルダー>(トイレットペーパーがなくなったときに簡単に変えられる方法)
<ちぎれにくい消しゴム>

6年2組
<爪が痛くならないキーリング>
<割れない皿>
<実用性のあるハンガー>
<色が変わる消しゴム>
<水やりのホースを一回で直せるもの>
<万能ふりかケース>(違う種類のふりかけを持ち運べるケース)
<押しピン>(おすときに楽しくなる押しピン)
<最後まで出るマヨネーズ>

6年3組
<楽に取り出せるレインコート>
<蓋がくっついていて最後まで使い切れるスティックのり>
<メジャーつきガムテープカッター>
<残りの量がすぐに分かる絵の具>
<3色取り出し蛍光ペン>
<ふにゃふにゃにならない紙ストロー>

6年4組
<カッターのように出せるスティックのり>
<チョークの粉が落ちにくい粉受け>
<長時間使える絆創膏~エコバン~>
<たくさんはいーる>(使いやすい筆箱)
<カキケシパス>(円をきれいにかけて消せるコンパス)
<靴紐クリップ>(靴紐を解けないようにする発明品)
<シズクル>(使いやすい黒板消し)

6年5組
<下敷きキャッチ>(床に落ちても拾いやすい下敷き)
<ハンカチット>(濡れている手でハンカチを取る時ポケットが濡れない)
<ピタッとケース>(磁石の力で整理する筆箱と文房具)
<クリエイティブBOX>(遊びを4つの分類し、区切りをつけて選べる箱)
<遊び決めトランプ>(2つのカードを掛け合わせて新しい遊びを考える)
<perfect support>(持たなくて済む傘)
<ハンドヨゴレーナイ>(お菓子を食べる時に手が汚れない指手袋装着機)
<指守郎> (マジックをしまう時に手が汚れない仕掛け)
<とり やすろう>(ゴミの大きさによって角度を調整できるチリトリ)

【まとめ】

「失敗を怖がるな」と言うのは簡単ですが、行動に移すのは大人も子どもも難しいです。
誰だって失敗はしたくありません。

「でも、やっぱり失敗を恐れずチャレンジをしてほしい。失敗の先にある面白さをどうすれば子どもたちに感じてもらえるだろうか?」
そんな想いで今回のプロジェクトを企画しました。

「新しい発明品をつくる」というゴールを置くことで、正解がないため、失敗せざるを得ない状況を作り、立ちはだかる壁を仲間と一緒に乗り切る難しさと楽しさを体験してもらいました。

実際、壁にぶつかって「あ、、、もうダメだ」と諦めかけていても「そんな面白い失敗できたなんてすごいやん!やるな!じゃ、次はこうしてみたら?」と声をかけると「面白くなってきたぜ!」と一気にやる気が復活する場面が何度もありました。

半年間のプロジェクトで失敗の捉え方が少し変化したように思います。

それと、もう一つ、プロジェクトを通して感じたことがあります。
それは学習との接続です。

テーマは生活にまつわるものを。
商品名を考える時や資料作りには国語を。
温度、水と油、磁石など仕掛けを考える時には理科を。
類似品のマーケット調査や解決策調べは社会を。
実験の比較・検討、角度調整などは算数を。
縫って、釘打って、色塗って、試作品作りは図工・家庭科を。

6年間で学んだことをフル活用していました。

自分や誰かの「困った」「もう少しこうなればいいのに」を解決するためには知識が必要です。知識が多ければ多いほど「新しい組み合わせ」を考えることができ、解決策をたくさん思いつくことができます。

「勉強ってなんのためにやるんだろう?」
その答えの一つとして「自分や誰かの困ったを解決するため」ということを覚えておいてくれたらとても嬉しいです。

【動画】

半年間の流れを5分半でまとめました。

奈良テレビに取り上げていただきました。(1分程度)


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